小学校へ入学してからの勉強は「文字の学習」と「数の学習」がまず大切になります。
「文字の学習」の基礎となる力を幼児期につくっておく必要があります。以下が文字の基礎となる力です。
1)言葉の理解・表現
赤ちゃんは様々な音を出し、成長とともに、指さしや単語の理解がみられ、単語から2語文、3語文と表現や理解が増えていきます。また、他者との会話の中で文脈の理解や雰囲気の察し方を学習していきます。言葉で理解したり、表現することがスムーズになることは、書く、読むにつながる理由は、文字を読むことはできても、会話の文脈を読む力がないと、ただ「読んだ」で終わります。そのため、言葉の理解・表現は大切になります。乳幼児期は語りかけたり、まねっこや歌遊びをするなどで言葉の基礎を作りましょう。
2)音節分解・音の抽出
音節分解とはひとつひとつの音に分けることです。「きりん」であれば「き・り・ん」となります。音の抽出とは、分解した音の中から特定の物を取り出す事です。しりとりが良い例です。しりとりのルールは最後の音を用いて、単語を作る事です。最後の音を抽出することが必要になります。「読み・書き」も一音一音まずは読んで書いていくことから始まります。音節分解、音の抽出ができるようになることは重要です。
言葉遊びの「しりとり」などは音節分解と音の抽出に有効です。その他、「じゃんけんグリコ」という遊びがあります。じゃんけんをして、チョキは「チヨコレイト」で6歩進み、パーは「パイナツプル」も6歩進み、グーは「グリコ」で3歩進む遊びです。これも音節分解と音の抽出に有効です。
3)目と手の協応運動
目と手をバランス良く動かす力です。最初は手に持っているだけの玩具が、成長とともに、操作する玩具となります。成長すると3歳頃には丸を描けるようになり、3~4歳頃では、十字の模写、三角、四角も描けるようになってきます。入学頃までにはひし形も描けるようになると、平仮名の形を正確に理解出来たり、模写する基礎ができているといえます。また、目で落ち着いて空間における位置関係を理解する力も必要です。上下左右をバランス良く描くことができる力です。手の運動において、直線を「左から右へ」「上から下へ」と一定の方向で引くこともできるようにならないと、書き順もバラバラになりやすいです。
このような、目と手の動きを就学前に育てておく必要があります。手遊びをしっかりと取り組みましょう。粘土や砂遊びなどでての感覚や巧緻性も育まれます。また、ハサミを用いて切ったり、紙を貼ったりすることも、手の操作する力を高めます。描くことに関しては塗り絵、線なぞり、迷路などを取り組んでみましょう。
4)文字への興味
上述した1)~3)は遊びの中でも育むことができます。それだけでは文字の読み書きにはつながりません。文字に興味を持てるような環境が必要です。お兄ちゃん、お姉ちゃんのいる環境では文字に興味が持ちやすくなりますし、また、絵本などでの読み聞かせの中で興味を抱くこともあります。
おおよそ、一般的には五歳頃に興味を抱くことが多いです。文字に興味を抱いたときに、一緒に「なんて書いてあるんだろうね」などと一緒に読んであげることや、特定の文字に興味を持つと(例えば「き」)その文字を見て、一緒に言葉を作る(「きりんさんの”き”だね」)などしてみましょう。文字への興味を膨らませることも、幼児期に必要な能力です。
このように文字の習得は単純ではないですが、その土台作りを幼児期にしておくことが大切です。
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