発達障害のお子さんは、食事に関する問題を抱えていることがあります。
・好き嫌いが激しすぎる
・特定のものしか食べない
・食べる量が少なすぎる
・食べ過ぎてしまう
などが、程度によりますがよく見られます。
食事に関する問題の背景には主に次のようなことが考えられます。
食事に関する問題の要因
新しいことへの不安
発達障害のお子さんは新しい物事へ不安を抱きやすいです。
食に関しても、新しい食べ物、初めて見る物などはとても不安になります。
例えば、もしあなたが、宇宙の他の星にワープしてしまい、宇宙人から「こ・れ・お・い・し・い・よ」とトレーにのせられた黄色いどろっとした食べ物に直面するとどうするでしょうか。恐らく、「これって大丈夫?」「こいつら信用していいの?」みたいに感覚になり、食べることに躊躇して無理に食べるか、絶対に食べないと思います。
食事に問題を抱えるお子さんもそのような不安を抱きやすいです。
こだわり
発達障害のお子さんには非常にこだわりの強い特徴を抱える場合もあります。
「~しないとだめ」ということです。
そうなると、「おれは絶対に緑のものは食べない」ということになってしまうこともあります。そうなると、緑の野菜を食べる事を拒否してしまいます。
また、逆に「白い物は食べる」となって、ご飯ばかり食べてしまうお子さんもいます。そして他の物を食べなってしまいます。
その他、食事は一応何でも食べれるけど、特定の食べ方にこだわる場合もあります。ご飯に必ずふりかけをかけないと気が済まない、唐揚げは何もかけない、アイスクリームはコーンがないといけないなどです。
このように、こだわりは食事に関して幅広く影響します。
感覚の問題
食事の問題は感覚の問題が影響する場合もあります。
特定の味、匂い、色、食感が極端に苦手というような過敏性です。
牛乳などの匂いが苦手なお子さんも多いです。しかし、発達障害のお子さんの場合、極端にその匂いに敏感になり、牛乳を飲めない状態となっています。
感覚の問題が強く影響している場合、食事の問題へは強く影響して、改善の難しい場合が多いです。
食事に関する対応のヒント
食事への対応のポイントは
「柔軟に、楽しく、ゆるく、諦めず」
調理を工夫しましょう
調理には様々な方法があります。焼く、炒める、煮る、蒸すなど食べやすい加熱方法も考慮します。また、味付けも好きな味付けや匂いが目立たなくなる調味料などをお子さんに合わせて使用しましょう。また、色へのこだわりのあるお子さんは、他の食材などで色を目立たなくさせうなど工夫してみましょう。
量を少なくしましょう
初めて食べる物、あまり食べたがらないものは量を少なくしましょう。そして、徐々に慣れるようにして、増やしていけるようにいます。
また、もともと食事の量の少ないお子さんもいます。あまり食べずに叱られてばかりよりも、量を減らして、食べきることで達成感を持たせましょう。
ここでポイントは食べるとしっかりと褒めましょう。
食後にご褒美を用意しましょう
食事を食べ終えたら、ご褒美をあげましょう。
ご褒美は食べ物、好きな玩具で遊ぶこと、ポイントシールなど、お子さんの好きな物を使いましょう。
自然な形で「苦手なピーマン食べたら、仮面ライダーのDVDみていいよ」などと伝えましょう。
サプリメントを利用しましょう
感覚過敏のあるお子さんは、頑張って嫌いな物を食べさせようとしても、それがなかなか上手くいかないことがあります。どんなに頑張っても無理なことは無理!となります。
お母さんたちも、「私の調理の仕方がわるいんだ」「甘やかしているからかも」と思われて悩んでしまうこともあります。
ただ、本当に発達障害のお子さんの中には強い過敏性をあわせ持っている場合もよくあります。それを無理に変えることに何十時間も労力を使うのはしんどいです。
栄養の偏りを補うため、労力を少し減らすため、サプリメントを活用しましょう。
サプリメントの活用は医師や栄養士さんなどに相談してみて、どのような活用方法かを考えてみましょう。
さいごに
食事に関する問題は日常のことであり、とても気になることだと思います。
しかし、楽しく食事をしないと、食ベル事が嫌になってしまいます。
そうなると食事への対応は悪循環です。
「魚を食べさせないと!」と考えて対応をする場合も
「柔軟に、楽しく、ゆるく、諦めず」
を心がけて、長い目でみて対応していきましょう。
ペアレント・トレーニングや子育てカウンセリングでも食事へ対応を相談していただくこともできます。
お気軽にご連絡ください。
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