いじめについて、一ヶ月前は教師のいじめが問題になりました。
教師のいじめ報道は、子どもに対して失望させるような出来事でしょうし、将来の対人関係に希望を持てなくもなります。
発達障害のお子さんもいじめに巻き込まれることもあります。
特に自閉症スペクトラム(ASD)のお子さんは被害者になりやすいとも言われています。
アスペルガーの研究をされているトニーアトウッド(1998)は「学校はアスペルガーの子どもにとって社会的な地雷原」と書いています。つまり、アスペルガーの子どもは他の子どもの本能を刺激しやすいようです。母性本能を刺激して面倒をみてくれる子どももいます。一方、支配欲や攻撃欲を刺激され意地悪する子どももでてきます。
また、ASDのお子さんは、どの子どもがいじめをしているのか気づいていないこともあります。つまり、意地悪をされていても、意地悪の意図を読むことができないこともあります。ASDの特徴を考慮しながら、いじめの疑いがあれば対応する必要があります。
いじめの問題への対応
参照「アスペルガー症候群の子育て200のヒント(東京書籍)」
◎本人が「いじめ」について理解しているか確認しましょう。普段から「いじめとはどういうこと?」ということを、子どもと話し合っておくことがよいです。
◎いじめている生徒、場所から遠ざけましょう。問題が解決するまでは、問題の生じる人や場所には近づけないようにし、子どもを守りましょう。
◎子どもがいじめの訴えを述べている時、事実かどうかよりも、まずは耳を傾けて、味方であることを伝えましょう。
◎他の人からの意見や話しを聞き、客観的な事実を収集しましょう。本人の述べたこと、周囲の述べたことのみだけでは客観的な事実は得られません。複数の情報源から情報を得ましょう。
◎結論を急がないようにしましょう。いじめだと思っても、本人の自尊心の低下により、被害的に受け取っていることもあります。また、いじめではないと思っても、実際いじめであることもあります。
◎子どもが状況について言わない場合、さりげなく学校の様子を聞きましょう。質問責めばかりでなく、学校で楽しいこと、勉強の進捗なども尋ねながら、対人関係などを質問しましょう。
◎学校に正式に伝える場合、話し合う項目を整理してメモしておきましょう。家庭での子どもの訴え、子どもの症状を客観的に伝えます。学校での子どもの様子を尋ね、どのような対応が可能かを聞きましょう。また、最後に次の面談日も決めておきましょう。
いじめの問題はきれいに解決できることが難しいです。してはいけないことは、いじめを受けた生徒を「あの子も問題あるから」などと考えてしまうことです。対応が遅れるとともに、大人がいじめを容認している状況となります。いじめはダメ!という態度を示しながら、いじめられた生徒に耳を傾け、味方でいるメッセージを伝え続けることです。
ASDのお子さんは誤解されることもあります。その分、しっかりと根気強く、責めないように対話をしていくことが必要になります。
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