いじめに関する本の紹介「いじめ騒動記」著・森野としお


家に面白そうな本が置いてあり読んでみました。

実際に体験された「いじめ」が漫画で描かれています。

「いじめ騒動記」著・森野としお、監修・井上敏明

いじめやトラウマなどの小説や体験記など、すごく同情したり、腹立たしくなることが多いです。この本は、いじめや人間の嫉妬、攻撃性などについて冷静に考えさせられます。小学生の時の息子さんのいじめ体験と、それに親としてどのように対処したかが記載されています。


いじめられた子の親としての対応として

・状況を冷静に把握

・状況を把握したら、子どもの意思を尊重し速やかに対応

・対応はとことんやり抜く覚悟が必要


いじめた子の親として

・いじめた行為を正当化しない

・いじめた子どもの親は自分の子どもを信じたいため、いじめた行為を過小評価しがちにある


以上のようなことが最後に書かれていましたが、実際にいじめに直面するとなかなかそこまで対応できないようです。本の中ではいじめとはどうして起きるのか?「いじめ」とは何かということも少し記載されていました。


文部科学省の「いじめ」の定義は

1)自分より弱いものに対して一方的に

2)身体的・心理的な攻撃を継続的に加え

3)相手が深刻な苦痛を感じているもの

文部科学省なので子どもをターゲットにした定義になると思います。

しかし、パワハラやセクハラもいじめの一種になります。

更に、集団レベルでみると、宗教間、民族間などの紛争もいじめになるかもしれません。

強い民族が武力を持たない民族に、一方的に攻撃を加えるなどがそうです。

人がいる限り、いじめ問題はなくならないということです。

本の中に、日本は異文化社会ではないからいじめは起きやすいと記述されています。

いじめたい気持ちはどうしておきるのでしょうか?

いじめは「動物的かつ精神的な分泌物」と考えてもよいという記述もありました。

成長期には食欲・性欲・攻撃欲、更に群れる本能も高まります。それにより、いじめたい衝動が生まれます。

こう考えると、誰にでも生まれる衝動で仕方ないと考えてしまいます。

ただ、いじめはなくならないにしても、減らさないといけませんし、それに対応しないといけません。

どうしたら、いじめの衝動を抑えられるのかということを考えたら、自分の行動を認識するしかないのではと感じました。

自分が「何か悪いことを言った」「悪いことをした」という行動を振り返ることが出来るようにすることだと思います。

教育現場だけでなく、一般企業や職場などでも「いじめ問題」に対して考える時間を持つべきではないかと思っています。

なるさ 療育学習室

子育て相談、療育に関する相談室です。応用行動分析(ABA)という科学的視点から臨床心理士がお子さんの学習と成長を促します。

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