発達障害(特にアスペルガー/ASD)を抱えるお子さんの中に勝ち負けにこだわるお子さんは多いようです。
鬼ごっこでタッチされると癇癪になり相手を批判する、ボードゲームをしていて負けるとボードを投げつける、ゲームで負けるとゲーム機を壊す…など怒りを爆発させることもあります。反対に負けると落ち込みすぎる場合もあります。
なんで勝ち負けにこだわるの?
勝ち負けにこだわる理由は
「完全主義」
が背景にあると考えられます。
自閉症のお子さんの特徴に完ぺきではないといけないというこだわりのある場合があります。
つまり、
勝つ=100点
負け=0点
負けてしまうと人生の終わりくらい悔しがるようにみえることもあります。
悔しがって他の人に攻撃したり、ゲームを放棄したりすると、周囲も困りますが、その子ども自身も嫌な気分が続きしんどくなります。
負けたときの感情と付き合うことのできるようになるための対応方法をいくつか紹介します。
負けと付き合うための対応
①負けることのあることを伝える
ゲームには勝ち負けがあり、負ける可能性のあることを明確に伝えておきましょう。その他以下に伝えておくとよいことを記載しています。
・誰も勝ちたいと思っていること
・勝つこともあれば、負けることもあること
・負けることは悔しいということ・負けると相手をほめることがかっこいいこと
以上のようなことを日ごろから伝えて、負けても上手にふるまえたらほめてあげましょう。
②結果よりも努力をほめる
「勝ってよかったね」「負けたね残念だったね」という結果だけ評価をすると、子どもは結果にこだわるようになります。
結果よりも、努力に注目してほめましょう。努力をほめるコツは過程をほめるということです。「がんばってやっているね」などと、取り組んでいる姿をほめましょう。
また、終わった後も「がんばってチャレンジしたね」「ナイストライ」などと伝えてあげましょう。
③負けるは勝ちの体験する
「勝つことがよいこと」「負けることがダメなこと」という価値観があります。
それを崩す体験をしてみましょう。
それは「負けるが勝ちゲーム」です。
シンプルに負ける人が勝ちということです。
すごろくでも一番最後の人が勝ち、じゃんけんも負けた人が勝ちなどです。あえて負ける体験をすることで「負けることは悪くない」と思えて、負けを受け入れやすくなります。
④負けるとすることを決める
勝ち負けにこだわる子どもの場合、「負ける⇒人や物にあたる」という図式になっていることがあります。そのため、その図式を書き換えることが必要です。
負けたとき、することのルールを決めておきます。つまり、負けてもまだすることがあるということです。
例えば、「すごろくで負けるとグランドを一周してくる」「トランプで負けると、相手の肩をもむ」などです。
事前にすることをルール化しておくことで、ゲームの一部に感じて、そのしなければいけないことに没頭でき、人や物にあたることを避けることができます。
勝ち負けへのこだわりは小さなころから練習していくと、負けることを受けれいることができやすくなります。
「負けてもOK」という感覚も育むことも考えてみましょう。
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