子どもの指導の優先順位

家庭でのお子さんの指導について話し合う時、「子どもにまず何をしてほしいか」「子どもは何ができるか」「子どもにとって必要なことは何か」を総合して考えます。

結構、これは難しいし、家族内で一致するのも困難なこともあります。

でも、指導の優先順位が決まると、お子さんへの対応も一貫してきて、お子さんの成長につながります。

自閉症児への指導の優先順位も参考になります。

なるさ 療育学習室

自閉症児への指導の優先順位

自閉症のお子さんは発達に偏りがあります。伸びやすい能力、伸びにくい能力が提携発達bのお子さんと異なります。また、ある側面を指導しておくことで、数年後により落ち着いて、多くのことを吸収できる能力がつきます。支援者は指導する順番を考慮して支援することで子どもの数年後は大きく変わります。


自閉症児への成長を促す指導手順

以下の図は佐久間先生の著書「広汎性発達障害への応用行動分析(フリーオペラント法):二瓶社」を参考にさせていただいた指導手順です。個人的にもこの図は腑に落ちるものです。

「自傷、他害、破壊的行動のコントロール」

問題行動が顕著な場合は、それらの行動を優先的に対応します。攻撃的行動はエスカレートしやすいため、最優先で対応しておくことが望まれます。


「人への接近行動の増加、対人回避行動の解消」

簡単に言うと人へ近づく回数を増やすことです。自閉症の多くのお子さんは人を回避する傾向もみられます。どのような人間も人を介することで多くのことを学ぶことができます。対人回避を解消することも大切になります。


「言語スキル、社会性スキルの習得」

主に言語の習得を促します。排泄、衣類の着脱などの身辺自立が優先すべきと思われる方も多いですが、自閉症のお子さんの多くは言語スキルを優先させておくことで、言葉の理解が広がり、行動しやすくなります。佐久間先生の著書に以下の内容が記載されていました。


5歳時点の発達項目とその後の発達ぶりに最も高い相関を示すのは、言語能力であることを明らかにしている。われわれの生活で言葉による意思伝達ができないという状態は本人にも家族にとっても悲惨すぎる。言葉のない子どもに「ちょっとだめ待つ」ということと「永遠に見捨てられた」という事態を区別できない。身辺自立や社会的マナーのしつけは一時棚上げしてなんとしてでもことばがない状態は避けなければならない。


このように言語の習得をできるだけ優先させせることが、自閉症をはじめとした発達障害のお子さんの指導には大切になります。個人的にも言語訓練をしていて、集中的に言語を伸ばしておくことで、就学後に安定して行動をコントロールできたり、身辺自立もスムーズに自立できやすくなると感じています。

「生活スキル、身辺自立スキルの習得」

言語の習得が徐々に進んでくると、身辺自立や生活スキルの習得に取り組みます。言語理解のほとんどない場合、排泄スキルは困難なことが多いです。また、食事マナーも習得しにくいです。まず、言語スキルの指導から入り、徐々に身辺自立に取り組みます。

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なるさ 療育学習室

子育て相談、療育に関する相談室です。応用行動分析(ABA)という科学的視点から臨床心理士がお子さんの学習と成長を促します。

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