原因論だけに陥らない支援

子どもたちを支援する中で原因ばかりつきつめてしまうことはありませんか。
子どもをみて解釈して原因を考えることは大事だと思いますが、拡大解釈になったり、方向性を見失うことがあります。「心」ばかり考えてしまうということです。つまり、子どもの気持ち考えばかりに目が奪われてしまっている状態です。

「学校へいけないのは昔のトラウマがあるから」「この子が今、友達を見ているから人に興味を抱き始めた!」「お母さんに反抗するのは愛情に飢えているから」などは、内面の解釈です。相談を受けると子どもの行動の背景は考えるけど、背景や解釈分析ばかりだと、実際は何も変わらないことばかりです。

不登校の例をあげます。学校へ行きたくないというA君がいます。過去のいじめの経験がきっかけで、学校へ行くことを嫌がるようになりました。カウンセラーが相談を受けると「嫌なことを〇〇君から言われた」「陰口を言われているよう」などと話します。カウンセラーは心がしんどくなるから、本人が元気のでるまで温かく見守るというようにしました。でも、一向に登校する気配はなく3か月過ぎ、半年過ぎ、1年過ぎました。
でも、A君の家庭での状況を観察すると、家ではお母さんがかまってくれる、一緒に買い物に行っている、テレビは好きなときみれる、学校へ行こうと言うと「友達が怖い」と言います。
「今・現在の行動」に注目すると対応方法のアイデアが出やすくなります。上記の例でいえば、家庭で外出は一緒にしないようにすることや、午前中のテレビはやめて学習するという瀬克リズムの確立も考えられるようになります。原因論を考えることが役立たないということではないです。「今・現在の行動」に注目すると支援のバリエーションは広がるということです。
「今・現在の行動」に注目すること、観察することは応用行動分析の基本であり、支援の方法が増えていきます。
以下に応用行動分析をまとめています。

なるさ 療育学習室

子育て相談、療育に関する相談室です。応用行動分析(ABA)という科学的視点から臨床心理士がお子さんの学習と成長を促します。

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