自己制御機能②

公認心理師試験の勉強から「自己制御機能」について興味をもち、自己制御機能について少し調べてみました。
以下の論文を読んでみて、興味深い点をあげました。
すごーく、おおまかにまとめたので、興味のある人はネットでも閲覧可能なので是非。今回、主に父母の養育態度と自己制御機能について、読んでいきました。
「森下正康 2003 幼児の自己制御機能の発達研究 和歌山大学教育学部実践総合センター紀要 13」

・自己制御機能とは「自己抑制」「自己主張」から成り立つ

⇒自己抑制は具体的に、つらくても「我慢」すること、物事をやり続ける「頑張り」ということが含まれる。
⇒自己主張は具体的に、正しいと思うことは人前で話すことができて、嫌だと思うことは拒否できる力。

・父母の養育態度

⇒受容:子どものことを理解し受け入れる。
⇒統制:子どもへの指示が多く、よく叱る傾向。
⇒矛盾:親の態度がよくかわる。一貫していない。
⇒実権:子どもの教育に関して父母どちらが実権を持っているか。

・自己抑制と父母の養育態度の関係

⇒受容的で矛盾の低さと高い自己抑制、低い攻撃性に関係があった。
⇒強い実権を持つ父親の男児は、自己抑制が高かった。
⇒暖かい受容的な父母子関係は女児に自己抑制機能を高める。
⇒強い母親の実権と父親の実権が弱い場合、男女ともに強い攻撃性を示した。

・自己主張と父母の養育態度

⇒自己主張の高い男児の母親は矛盾が少なかった。
⇒父親の拒否的態度と母親の矛盾した態度は自己主張の発達の阻害となる可能性あり。
⇒両親どちらも実権を持っている場合、男児の自己主張も自己抑制も発達しない可能性あり。
⇒父親の方が実権を持っている場合、男児の自己主張は育つ可能性あり。
⇒母親の方が実権を持っている場合、男児の自己主張は育つ可能性あり。
大まかに、気になった箇所のみあげました。
この他、園での子供の態度や保育園の特徴もまとめてありました。


個々の子どもや環境により、自己制御機能の発達は異なるようですが、当たり前のように、「受容的な態度」「矛盾の少ない態度」は重要だということかと。
日常の子どもとのかかわりの中で、矛盾した態度は子どもを不安定にさせる面も感じます。


興味深いのは父母の実権は誰が持つかにより、自己主張が変わるということでした。男児は父親、女児は母親が実権を持つ方がよいとのことでした。


また、文献には「両親ともに実権を持っていると(子どもが)認知している状況では、子どものしつけをめぐって葛藤が多く、それが男児の自己制御や思いやりの発達に悪い影響を与えるのではないか」という文脈がありました。


つまり、矛盾のある実権は子どもには悪影響となる可能性があるようです。
現在、子育て中の身としては、「一貫した態度」「受容的な態度」は意識してかかわることかと、振り替えるきっかけになりました。

なるさ 療育学習室

子育て相談、療育に関する相談室です。応用行動分析(ABA)という科学的視点から臨床心理士がお子さんの学習と成長を促します。

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