誤学習の困った行動への対応③

消去とはすでに強化されていた行動に対して、好きな物が出現しなくなったり、嫌いな物がなくならないということです。

結構ややこしいです。

例で言うと、上が消去、下が強化です。

強化であるとき、お父さんに「遊んで」と騒ぐと、結果として遊んでくれていた。

しかし、

消去では、お父さんに「遊んで」と騒ぐと、結果は遊んでくれなかった、ということになります。このように行動のあとに好きな物(強化子)を取り去る例です。




行動の意味は4つあります。
要求、回避、注目獲得、感覚刺激です。

要求→要求するための行動
回避→厭なことなどを避ける行動
注目獲得→注目を浴びるための行動
感覚刺激→感覚を得るための行動

人間の行動はこれらの4つで説明できます。
問題行動もこれら4つで、問題行動が維持されていると考えます。

問題行動への対応は行動がどのような理由かをまず考えます。

要求→「要求には応じない」

欲しいものを買ってもらえるように、かんしゃくをする子どもへは買ってしまうと「かんしゃくすれば買ってもらえる」と覚えます。要求には応じないように、買わないということになります。

回避→「逃げることには回避させない」

いやな勉強やお手伝いの時、頭を机にぶつける子の場合、頭をぶつけると、周りは勉強はさせないようにしてしまったとします。すると、「頭をぶつけると勉強がなくなった」と体験しそれを学びます。そのため、ぶつけても、必要なことはさせるという対応をとります。逃げさせないです。しかし、頭をぶつけることは自傷なので危険を伴います。ぶつけないようなレベルの課題を呈示するなどの工夫も必要です。

注目獲得→「注目しない」

いたずらをして、結果、「そんなことしたらダメ!」「〇〇くん、いじわる」などと言われて、注目を浴びている子どもは、「普段注目されないけど、いじわるしたら注目される」と体験し学びます。そんな時は一貫して注目しない、目線を向けない、声もかけない対応をとります。


このように、「要求には応じない」「回避させない」「注目しない」という対応が消去ということになります。


ただ、消去だけで対応することは困難です。

望ましい行動を増やす事も同時に行う必要があります。

なるさ 療育学習室

子育て相談、療育に関する相談室です。応用行動分析(ABA)という科学的視点から臨床心理士がお子さんの学習と成長を促します。

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