書くことの発達

書くこと、描くことのは就学すると大切になってきます。自分自身は字を書くことが苦手で、絵も下手で、正直な話、美術の時間などに課題を与えられても何からどう描けばいいのか困っていました。大人になればパソコンやタブレットなどでこなせることもありますし、仕事でも書く(描く)仕事が主業務ではないので問題ないです。

パソコンなどのテクノロジーが発展してきて書字や描くことは必要なくなると感じる方もいるかもしれませんが、就学すると必要になります。また、タブレットを用いるよりも、紙ベースのプリントや教材の方が記憶や理解はしやすい場合もあります。書くことは、現在の教育ではほぼ必須であるので、書くことを得意にしておくことはとても有効です。得意ということは、「(自分の中で)書くことが好き」という気持ちが育まれておくことです。


1)書字の前段階

書字にはいくつかの能力が必要になります。姿勢のコントロール、手の巧緻性、目と手の協応、視覚情報の弁別、利き手の確立、言語理解能力など様々な能力が必要とされます。しかし、最も大切なのは書字への動機です。書く(描く)ことで表現が伝わる、理解される体験が必要になります。絵を描いて理解してもらえる、喜んでもらえるという体験です。幼少期の書字段階前のお絵かきなどはすごく大切な動機付けになります。

2)書字の発達過程

柴崎先生(1987)は書字の発達過程を6段階にまとめています。

①線を描くことによって書くことを楽しむ。
②みようみまねで、文字らしい形を書けるようになる。
③文字の持つ機能的側面を遊びの中で展開する。

④名前や数字など、身近な文字をみながら正しく書けるようになる。

⑤伝達や意思表示の手段として文字を書くようになる。

⑥文字の誤りを自分でも意識的に修正するようになり、正確に書けるようになる。

①の線を描けるようになることがまず必要です。発達検査でも直線を描く課題があります。また、模倣する力も必要になるので、しっかりと見て認知する力も備わっていないといけません。

③では実際に真似して書いたりして、大人などとその文字を用いて遊ぶと、更に書くことが楽しくなるかもしれません。

子どもの書字の発達を以上のプロセスで見守っていくと、分かりやすくなります。幼児期に少しずつでも描くことに慣れていき他者に伝わった体験をすることが大切になります。


なるさ 療育学習室

子育て相談、療育に関する相談室です。応用行動分析(ABA)という科学的視点から臨床心理士がお子さんの学習と成長を促します。

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