【問題行動への対応】レスポンスコスト

お店などでポイントカードなど利用される方も多いと思います。

今はネットでもポイントがつくことも多いですよね。

子育てでもポイントカードやポイント制などを利用される方もいらっしゃいます。

・宿題できたら1点
・トイレが成功したら10P
・片づけしたら5P

     などなど

そのようなポイントのシステムをトークンエコノミー法といいます。

トークンエコノミー法は子育てやペアレントトレーニングなどでも使われます。

療育でも使用します。

詳細は以前ブログでまとめたのでごらんください。

トークンエコノミー法の具体的なコツをかいています。

トークンエコノミーはどのようなお子さんにも有効です。

使い方を工夫すると、ことばの発達が遅い子、発語のない子どもにもとても効果的に使うことができます。


レスポンスコスト(減点方式について)

ポイントを加算されることがほとんどですが、なかには減点されることもあるかもしれません。今回はポイントの減点についての効果と副作用についてまとめています。

ポイントを減点することをレスポンスコストといいます。

レスポンスコストとは困った行動の直後にその人が持っている好きなものの一部を取り除くことでその行動を抑制する方法です。つまり、その困った行動に対して対価を支払うということになります。

例えば、スピード違反をすると罰金または免許の点数が減点になるなどです。これはレスポンスコストを利用しています。

レスポンスコストは、トークンエコノミー法と併用することも多いです。適切な行動にはポイントを与えて、不適切な行動にはポイントを減らします。家庭で暴力をふるう子供に対して、暴力の場合は点数を減点、子供が朝の歯磨きができれば1点、お風呂に7時まで入れると2点などとして設定します。このように設定することで、とても効率よく行動をコントロールできることがあります。しかし副作用もあります。


レスポンスコストの副作用

レスポンスコストには副作用もあります。

ちょっとイメージしてみて下さい。

楽〇市場で普段は買い物しています。ポイントが3200ありました。ある日、あなたは購入した商品を気に入らなくて返品しましした。すると貯めていたポイントが500ポイント減ってしまいました。
そのため、楽〇市場のポイントが減ってしまいました。

その後、あなたはどうしますか?

あなたは返品するのをやめるようになるかもしれません、慎重に買い物するようになるかもしれません。もしかしたら、楽〇市場で購入することをしなくなるかもしれません。

レスポンスコストの副作用には以下のようなものがあります。

・レスポンスコストだけでは他の行動を学べない
レスポンスコストはただ困った行動を減点するだけなので、適切な行動は教えていません。暴力をすると減点するだけで、仲良くする方法は教えていることになりません。レスポンスコストだけでなく、適切な行動を教えておくことが必要です。


・他の行動も抑制される可能性もある
減点方式により、他の適切な行動も減ることがあります。楽〇市場の例で考えると、楽〇市場を使用することを控える可能性もあります。または、他のネット通販も使用しなくなるかもしれません。


・不快な感情が生じる

減点されるとたいてい不快な感情は生まれます。スピード違反で罰金されると嫌な気分になります。警察を恨むでしょうし、もしかしたら自分自身を恨むでしょう。減点することで必ず不快な感情は生まれます。


今回はレスポンスコストとその副作用について説明しました。レスポンスコストも結局は「罰」といいます。特定の行動を減らす方法です。行動を減らしただけで、何も教えていないことになります。レスポンスコストで不適切な行動を減らすとともにいいところをほめるということが大切です。





なるさ 療育学習室

子育て相談、療育に関する相談室です。応用行動分析(ABA)という科学的視点から臨床心理士がお子さんの学習と成長を促します。

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