子供への支援や療育で目標の優先順位はとても大切です。
優先順位により子供の成長は大きく変わってきます。
私自身も療育や支援では優先順位はとても大切にしています。
佐久間先生の「広汎性発達障害児への応用行動分析~フリーオペラント法~」に指導の優先順位というものが記載されています。
まずは図にあるように「自傷、他害、破壊的行動コントロール」の対応が大切とされています。自傷や他害行動などを減らすことを目標にします。
その後、「人への接近行動の増加⇒言語スキル・社会性スキルの習得⇒知識獲得・生活・自立スキルの習得」ということです。
問題行動が減ると学習することは増えることと、ほめられる回数が増えるということになります。
しかし、実際にこのような手順ですべての指導順序を組み立てるということではなく、柔軟にするということです。
個人的には以下のようなイメージで優先順位を組み立てています。
最も優先順位の高いのは「自傷、他害、破壊的行動コントロール」への対応です。
それらの行動に対応し、落ち着いてきたら、または落ち着きを取り戻せそうであれば、青四角の中の行動を目標にします。
青四角の中はできそうなスキルから習得できるように支援していきます。
優先順位が必要な理由
なぜ優先順位が必要なのか佐久間先生の著書の中の以下の内容がとても参考になります。
・「ひとつひとつ積み上げが大切」というが実際には容易には積みあがらないのが相場だ。
・発達には波及効果の大きいものと波及効果の小さいものがある。
・発達の遅れの顕著な場合、優先順位に計画性がなければ時間と努力の無駄を招いてしまう。
重度の知的障害のお子さんの療育などでは、定型発達の発達を指標にしているとなかなか効果の少ない場合が多いです。発語を促してもなかなか表出できないこともあります。明確な発語がなくても平仮名を先に覚える子供もいます。そうすることで発語につながる場合もあります。
獲得できそうなスキル、波及効果の大きそうなスキルの習得を目指す方が賢明といえます。
優先順位は療育や支援では常に意識すると、子供の成長も大きいです。
そして、優先順位も必要だと思えば変更することも大切です。
是非、子供への目標とする行動の優先順位を少し見直してみてみましょう。
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