自閉症児の特徴~シングルフォーカス~

自閉スペクトラム症(ASD/自閉症)の特徴は主に以下になります。

①社会性/コミュニケーションの質の偏り
②こだわりの強さや感覚の偏り

以下のサイトがASDの解説で分かりやすいです。

ただ、ASDの特徴で配慮すべきことがまだあります。

シングルフォーカスです。


シングルフォーカス

シングル=ひとつ

フォーカス=焦点

シングルフォーカスとはひとつのことに焦点を当てすぎてしまうということです。


ひとつのことに焦点を当てるとはどういうことでしょうか。それは、ひとつの感覚に集中していると、他の感覚がシャットダウンしている状態です。テレビをみていて、声をかけても返事を全くしないなどということです。幼児さんではひとつのことに集中しているとこのようなことはあると思います。でも、ASDの人は成長してもそのような特徴は小学生、中学生、大人になっても残ることもあります。

また、シングルフォーカスでは視野の問題もあります。視覚は機能しているのですが、そのとらえる視野が狭いということです。例えば遠くから懐中電灯を照らすとぼやけていますが広くみえますね。でも、近くで照らすと鮮明ですが見える場所は狭いです。ASDの人は懐中電灯を近くで照らしている状態です。鮮明に見えるけど視野は狭い状態です。

ASDの人でシングルフォーカスの問題を抱えている人はいます。シングルフォーカスを抱えていると、多くの指示が理解できなくなります。

そのためASDの支援にはひとつひとつ伝える、教えるということが重要になります。

たくさんの情報を伝えると混乱するか、一部分しか理解することができません。

では、どのように配慮すべきでしょうか。

コツはひとつの感覚に伝えるということです。

どういうことかというと、言葉での指示だけ、絵での指示だけというようにすることです。

言葉で「外にいくよ」と伝えるだけ
外の絵カードを見せるだけ

というようにひとつの感覚に訴えるということです。

絵を見せて言葉がけをすると理解できない子供もいます。

もし、言葉がけをする場合、絵を見たあとで、視線を合わせて「外いくよ」といいましょう。

このように伝える感覚へのタイミングをかえるということです。

ASDのお子さんはシングルフォーカスの特徴を持っていることが多いです。

配慮した支援で理解やできることも増えていき、自信になります。

なるさ 療育学習室

子育て相談、療育に関する相談室です。応用行動分析(ABA)という科学的視点から臨床心理士がお子さんの学習と成長を促します。

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