不登校についての様々な書籍があります。個人的によく参考にさせてもらう本があります。
神村栄一「不登校ひきこもりのための行動活性化」金剛出版
認知行動療法の視点からの不登校・ひきこもりの支援について書いてあります。
この本を使用していてとても臨床的だと思っています。その理由は3つあります。
1.「心のエネルギー」という曖昧な言葉ではなく具体的に記載してある
表紙には「心のエネルギーがみるみる溜まる」とあります。でも、実際に内容は具体的な対
応方法、子どもとの対話の方法が記載してあります。また、どのような状態が「心のエネルギー」の溜 まった状態かの例も記載してあります。
2.ネックとなるメディアへの対応、生活リズムへの対応が記載
メディアは不登校、ひきこもりの状態に大きな要因になっていることが多々あります。その ような状態の対応が記載されていることはとてもありがたいです。また、生活リズム、睡眠 リズムの回復についても記載されています。このようなピンポイントでの介入方法の記載 はとても参考になります。
3.中立的な視点
ある本では「学校へいけ!」、ある本では「学校なんて行かなくていい!」という極端な視
点で書かれていることが多いです。この本ではどちらかというと、「学校へ行けたらベター だと思うけど、本人の意思も尊重して、様々な選択も視野にいれましょう」というような視 点です。言い方を変えると「行けたらいいけど、他の方向もOK」というようなことです。「学校に行け!」という本であると、行けなければ失敗になります。「学校なんか行かなくていい!」という視点であると、子どもを自由にさせすぎて心配になります。中立的視点で書かれている点は子どもや家族の状態や価値観にも合わせることができるのでとても参考になります。
不登校、ひきこもりのお子さんの相談は増えています。この本は支援者だけでなく、当事者のご家族もみていただくと、参考になる点も多いかもしれません。通り一辺倒ではな
い視点の本で、そして具体的な対応が記載されていておすすめです。
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