「わかりました!」は分かってない

子どもに説教や指示を伝えた後で「わかった?」と尋ねると、子どもは「わかったよ!」と言います。でも、その後、子どもは同じような間違えを繰り返したり、してほしいことが出来ないことがよく。


子どもが「わかりました!」という理由

子どもは「わかりました!」というのになぜ同じ行動をして、大人に何度も説教や指示をされてしまうのでしょうか。理由のひとつに、「わかりました」ということで、説教が終了するからです。

「わかりました」と言う⇒説教が終了(嫌なことなし)

このような図式になります。とりあえず言っておけば、説教は終了することとなります。そのため、子どもは聞いているようでしっかり聞いていなこともあります。また、子どもの「わかりました」という言葉の目的は説教を終了させることになっているので、行動を改めようとは思っていません。では、なぜ大人は「わかりました」をあてにするのでしょうか。


大人が「わかりました」をあてにする理由

子どもの行動は変わらないのになぜ何度も大人は子どもの「わかりました」を信じるのでしょうか。理由のひとつは、説教や指示をして、子どもが「わかりました」と言うと、大人は「今回の説教もよかった」「よい伝え方で子どもは理解しくれた」と自分の伝え方が上手であったと思ってしまうからです。

説教・指示⇒子どもが「わかりました」(よい説教だと感じる)

つまり、大人は「わかりました」という言葉を引き出すために説教や指示をしていることとなります。本来の目的は子どもの行動を変えることなんですが、「わかりました」を引き出出し、自分の説教への自信を高めているだけになります。


「わかった」を「できる」にする方法

・復唱させる

伝えたことがどれだけ伝わったかを確認するため、復唱させることはシンプルで効果的です。「次からどうすればいいんだっけ?」「スーパーではどうするんだっけ?」など聞いてみて、伝えたことを言えるか確認します。また合言葉のようなゲーム感覚で復唱させることも子どもには効果的です。「(親)朝おきたら?」「(子)おはようって言う」などのようにする方法です。子どもはすることを記憶しやすくなります。


・考えさせる

どうすれば上手くいくのか、どうしたら失敗するのかを考えさせる方法です。自分で考えさせるようにすることで、行動にしやすくなります。「次からどうすれば上手くいくと思う?」「何がよくなくて失敗したと思う?」などと聞くことで、どのように行動すればいいのか子どもに考えさせます。もし、子どもが答えられなければ、大人が助言してみます。「わかった」ということから「できる」に変更するきっかけになります。





なるさ 療育学習室

子育て相談、療育に関する相談室です。応用行動分析(ABA)という科学的視点から臨床心理士がお子さんの学習と成長を促します。

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