応用行動分析では行動を扱います。子どもが発言することも行動ですが、あてにしすぎると本当にしてほしいことができなくなります。
例1)宿題を後回しにするたろう君
宿題に時間のかかるたろう君。お母さんは帰宅してすぐに宿題に取り組んでほしいと思っています。
お母さん:「おやつ食べたら宿題するよのよ」
たろう君:「うん、わかった!」
その後、たろう君はおやつを食べ終え、テレビを見て、ダラダラ過ごし、お母さんから叱られながら宿題をしました。
お母さんの視点
「分かった!と言ったからしてくれるはず。おやつもあげたし、言うことは聞くわよね」
たろう君の視点
「わかったって言えば宿題を後回しにできる!」
例2)学校を時々休んでしまうなな美さん
なな美さんは時々学校へ行くことを拒否したり、登校前に行きしぶりがあります。特に算数の授業がある日に行きしぶります。お母さんは毎日朝から元気に登校してほしいと思っています。学校を休んだ夜の会話です。
なな美さん:「明日は算数だけど頑張って登校しよう。学校楽しみ」
お母さん: 「じゃあ、明日の朝はフレンチトースト作って応援するからね」
次の日の朝、なな美さんは起床してフレンチトーストを食べて、学校へ行くことを嫌がりました。
お母さんの視点
「学校へ行くと言ってくれてよかった。励まして送りだそう」
なな美さんの視点
「学校へ行くというとお母さんが喜んでくれし、朝ごはんも好きなものが出る」
例にあったように、子どもの言葉だけを信じると、親の期待を裏切られることはよくあります。どちらの例も「ご褒美」がしてほしい行動よりも先にきています。例1は「おやつ」が先にきています。例2は「フレンチトースト」です。子どもの発言は前向きであることはよいことです。しかし、子どもの行動を変えるためには、必ずと言っていいほど、「ご褒美」を後にしましょう。つまり、子どもの行動を信じて、前もってご褒美を与えるのではなく、きちんと行動ができればご褒美を与えることを意識しましょう。子どもの発言を疑うことも大切です。
疑いなく子育てすることは、考えずに子育てをしていることと同じです。そして、疑うことで、子どもの困った行動を予防できます。実際の「行動」は嘘をつきません。発言を疑いながら接することで、子どもの適切な行動も増えていきます。
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