叱り・罰の副作用

子育てをしていて、叱る時はあると思います。

自分自身も我が子を叱うことはあります。


叱りや罰(身体的暴力、強い暴言など)は副作用が多く、効果はほとんどないということをあげています。

ペアレントトレーニングでは罰の副作用を説明しています。

副作用をを知ると、叱らないように気をつけるようになったという感想もありました。

是非、目を通していただき、副作用を理解してもらえたらと思っています。


1.罰は用いる側も受ける側も一般的に不快

罰を与える場合、与える側、受ける側のどちらも不快な感情をもっている場合がほとんどです。与える側はイライラして罰を与える、受ける側は恐怖を感じます。


2.望ましくない情動反応が生じる

罰を受ける側は「1」であったように、恐怖反応が生じます。また、いつ罰を受けるではないかという不安も抱きます。


3.回避行動が増える

回避行動が増えるとは、特定の場所や人を避けるようになることです。罰を受けた人は罰を与えた人を避けるようになります。強く叱る先生を避ける、強く叱るお父さんを話をしなくなるなどです。


4.攻撃行動を引き起こす可能性がある

罰を受けると、恐怖や不安の感情が生まれます。すると「攻撃された!自分を守らないと!攻撃しないと!」ということが無意識に頭や体に生じます。そして、攻撃行動もみられることもあります。叱られると反抗してしまうということです。


5.全般的な行動の抑制をもたらす

罰はある特定の行動を「やめなさい!」「おまえはだめだ!」と言っている状態です。否定されている状態で、「俺はだめだ!」「もういいや」「何やってもだめ」というようになります。否定的な感情ばかり残り、やる気も下がり、適切な行動も減ります。


6.一時的な効果にとどまる可能性がある

罰の効果は一時的です。例として車を運転していてスピード違反をする人です。スピード違反をすると、罰金と警察に注意をされます。するとその日はゆっくりと運転します。しかし、1週間後はまたスピードをガンガンだしています。罰はこのように一時的にしか効果はありません。叱った直後はいい子ちゃんをしているけど、叱られなくなるとまた問題行動をしてしまいます。


7.罰のない場面のみで抑制されるだけである

罰があると問題行動は出現しなくなりますが、罰のない場面では、問題行動は出現します。つまり、叱る先生がいると大人しいけど、叱らない先生がいないと大人しくなります。スピード違反もそうですよね。警察をみるとゆっくり運転する、警察がいるとスピードを落とすということです。罰のみでは適切な行動は増やせません。


8.罰を与える側はエスカレートしやすく、受ける側は模倣する

罰を与えると、子供はすぐにいう事を聞いてくれることが多いです。例えば、教室がうるさい時、先生が強く「静かにしなさい!」と怒鳴ると静かになります。先生は怒鳴ると子供がいう事を聞いてくれると思ってしまいます。そして、怒鳴ることは効果があると錯覚してしまい、エスカレートします。また、罰を受ける側は模倣(真似)をします。罰を受けた子供は罰を使いやすくなります。



罰をすることが増えると子供との関係は悪循環になり、不適切な行動も増えやすくなります。罰の副作用を知っておくことは、大人が罰を減らすきっかけにもなります。少しだけ罰の副作用を頭の片隅に入れて、子供に対応することで、罰を減らし、褒めることも増えてきます。




ペアレントトレーニングは罰を用いない対応方法を学ぶ場です。

参考にしてみてください。

なるさ 療育学習室

子育て相談、療育に関する相談室です。応用行動分析(ABA)という科学的視点から臨床心理士がお子さんの学習と成長を促します。

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