自閉症に関する本の紹介です。
テンプル・グランディン著「自閉症感覚」
テンプルグランディンさん自身の自叙伝です。
自閉症として6歳の頃に診断を受け、現在は大学では動物学で博士を取得され、コロラド大学で助教授として教鞭をとられたり、会社を設立もされたようです。
自閉症の世界を主観的な立場と客観的な立場で書かれているので、とても自閉症理解には分かりやすいです。
例えば、すぐに言葉には出来ないけど、周囲のことは理解できていた状況などが記載されています。ある友達が悪口を言ったのを聞いていて、表現できず衝動的に暴力をふるったそうです。しかし、学校の先生や周囲は理由も聞いてくれなく、辛かったということです。普段、自閉症の子どもと接していると、周囲を全く理解していないような行動がみられることもあります。しかし、グランディンの本から、よく周囲は理解しているけど、表現に困難を抱えているため、何か他の行動をしてしまったりしているかもしれません。
また、感覚過敏についても主観的に分かりやすき記載してあります。愛情のある抱擁を求める一方、深い抱擁になると海に飲み込まれるような感覚に陥るとあります。このような表現は自閉症である方の本を読まないと分からなかったです。
一方で人の暖かい表情、冷たい態度には敏感に理解できている様子も描かれており、周囲の状況を察することもできるのかなと感じました。ただ、困難さは表現力などのアウトプットではないかと考えさせられました。
ボリュームもあり、自閉症の世界の理解に役だってます。
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