インリアルアプローチという言語発達を促進する考え方とテクニックがあるようです。
言語に関しての療育や訓練では、音声模倣、文法の獲得などターゲット行動を決めて行うことが多いですが、インリアルアプローチはどちらかというと、日常の中で取り組みやすい方法です。
そういう意味では保護者の方の理解も得やすいと思います。
インリアルアプローチの特徴は「お互いに反応しあうことで、学習とコミュニケーションを促進する」ということのようです。
実際の療育や訓練では大抵、縦関係となってしまうことが多いです。そうでない療育方法が多いですが、なんだかんだで、「先生」「生徒」という関係に陥りやすいです。
どんなに、「子どもと同じ視点を大事にしてます!」と言っても、「教育」「指導」というスタイルが入ると、必ず縦関係はできます。
インリアルの技法は、子どもに合わせるという技法から入るので、子どもにとっても、大人にとっても適用しやすき方法です。
①ミラリング
子どもの行動をそのまま真似る。
言葉ではなく動きの真似ることで、自分の動作が他者に伝わる事を学びます。他者に与える影響を知り、発語につながります。
②モニタリング
子どもの出す声や音をそのまま真似る。
ミラリングと同様に真似ることですが、ここでは発声されたことを大人が真似ます。
③パラレルトーク
子どもの行動や気持ちを言語化する。
子どもの気持ちや行動を言葉にすることで行動と言葉が一致し、子どもとのコミュニケーションのきっかけにもなります。例えば、電車を走らせていると「ガタンゴトン」などです。
④セルフトーク
大人が自分の行動や気持ちを言語化する。
大人の状況を言葉にすることで、コミュニケーションの糸口になり、また、パラレルトークと同様に行動と言葉の一致を促します。
⑤リフレフティング
子どもの言い誤りに対して正しく直す。
言い誤りを正しく直すとは「違うよ、あれは~よ!」ではなく、さりげなく訂正します。
猫をみて「なーなー」と言った子に「にゃーにゃーだね」やもう少し理解の他界子どもは「猫だね」などと、名称を教えるなどです。
⑥エキスパンション
子どもの言った意味や言葉を広げて返す。
一語文の子どもには二語文で返すなど、語彙を増やして返すイメージです。「ブーブー」と車をみていうと、「赤いブーブーだね」「赤い車だね」などです。
⑦モデリング
子どもの言っていることにモデルを示す。
子どもがしていること、言おうとしていることに見本を示します。おやつを食べた後、「おやつおいしかったね」「いっぱいたべた」などと見本を示します。
参考書 「1・2・3歳ことばのおそい子」中川信子
インリアル技法は7つあり、基本は「さりげなく」です。
さりげなくすることが子ども主導になるように想います。
ただ、子ども主導だと、目標とする言葉を、反復練習できないのが難点かと。
バランスよく療育や日常生活にに取り入れることが効果的だと考えています。
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