これまで問題行動の対応方法についてブログに記載したこともあります。個人的にも問題行動の対応は力を入れて色々と勉強して、実践でもいろいろと対応したりコンサルをしてきました。
その中でも個人的に時々使い、子どもの行動を変化させやすい考え方をご紹介します。
これまで紹介していなかった非随伴性強化という考え方です。
「ひずいはんせいきょうか」とよみます。
随伴とは「くっつく」とかという意味があり、行動と結果がくっついているということです。
急に行動と結果という言葉がでましたが、人間の行動を分析するとき、以下のように分けます。
事前⇒行動⇒結果
行動と結果がセットということです。
結果に良いことがあると行動は増えていきます。
お手伝いをして10円もらえた
宿題をしてほめてもらえた
このような結果で行動が増えることを「強化」といいます。
つまり、何か行動してご褒美をもらえたら行動は増えるということです。
一方、非随伴性強化とは行動と結果とは全く無関係なタイミングでごほうびを与えることです。それにより困った行動が出にくくすること。攻撃、自傷、常同行動といった行動において有効であるとされています。
行動と無関係にごほうびを与えるけど、問題行動は減り、よい行動は増えるということになります。
ちょっと難しい印象です。
以下の例をみてください。
「おかしかって」とかんしゃく→お菓子ゲット
このような図式の対応だと、お菓子を買わないようにして、「お菓子かって」と適切な方法で伝えるとお菓子をあげます。
でも、非随伴性強化であるとごほうびであるお菓子を無関係のタイミングであげておくということになります。効果があるのでしょうか?
非随伴性強化での対応例を考えてみます。
「おかしかって」と毎回かんしゃくになる5歳児。行動とは無関係にごほうびをあげるので、日常からしっかりとおかしをあげておくということです。かんしゃくとは関係ない場面でおかしを与えておくことです。そうすることで、「おかしかって」というかんしゃくは減るということです。ただ、実はこれだけでは確実に減るとはいえないので、適切に要求できた時もあげます。
このように十分に日常でおかしをあげることで減るということですが、なぜこの問題行動が減るのでしょうか。その理由は明確ではないのですが、ひとつは子供が十分満足するからと考えられています。お腹いっぱいで、満足しているためかんしゃくはでにくくなるということです。
他の例でも考えてみましょう。
宿題をしない3年生の男の子です。マンガばかり読んで宿題をしません。宿題をするように伝えても「いや」と言って拒否します。この時はマンガを十分与えておきます。そうすることでマンガに十分満足して宿題をするように少し促すと取り組み始めます。
マンガがごほうびで好きなものであるので、それを十分に読ませておいて、満足してお腹いっぱいになると少し飽きて他のことをやりはじめるということです。
非随伴性強化という考えも取り入れると、子どもへの対応のバリエーションが増えると思います。
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